羽子板、破魔弓

羽子板、破魔弓について

羽子板

 羽子板は「魔を跳ね返す」という意味があります。女の子が生まれて、「優しく元気な子に育ってほしい」と願いを込めて飾ります。また、羽子板の女性は、すこやかに美しく、凛として育つようにとの想いも込められています。羽子板で突く羽の付いた黒くて堅い玉は「むくろじ」という大木の種です。「むくろじ」は漢字で「無患子」と書き、「子供が患わ無い」という意味があります。
また、羽子板の羽がトンボに似ていることから、子供の病気の原因となる蚊をトンボが食べてくれるように、また、羽を恐れて子供が蚊にさされないようにという、女の子のお守りともいえるものです。

 現在の『羽子板飾り』は、桐の板に歌舞伎の名場面を表した平面のお人形を取り付けた物です。
起源は平安時代にまで遡り、左義長と呼ばれる五穀豊穣を願った神事で、現在のような華美な物ではなく、桐の板に直接絵を書いた物で羽根突きをして占ったりお祈りしたりしていたようです。

破魔弓

 破魔矢(はまや)破魔弓(はまゆみ)にはいくつかの起源に関する説があります。いずれにしても、弓矢には邪気(じゃき)を払う特別な力があると考えられて、さまざまな行事、神事に使われることが多かったようです。
 弓矢はもともと武器でしたが、平穏な世の中と人々の無事を祈る魔除けの道具として親しまれるようになりました。
 現在の形の破魔矢(はまや)破魔弓(はまゆみ)は、鎌倉時代に生まれ、各地の城下町を中心にして、武家や町人の家で破魔矢を飾って悪魔を追い払い、男の子のすこやかな成長を祈りました。
 破魔矢(はまや)破魔弓(はまゆみ)の作りがしだいに豪華になっていくにつれ、飾ることが主流になり、平穏な世の中と無事を祈る魔除けの道具として親しまれるようになりました。